新作の先達

手に取るか取らないか微妙なラインのものを取り上げてくブログにしたい。

リトルジョー〜日本ぽさのクセが強い

みなさんホラーしてますか?べってぃです。

今年も短観ホラー映画の季節が来たわけですが、果たして名作は生まれるのでしょうか。鳴り物入りで始まった恐怖新聞の事は、一度忘れましょう。

 

リトルジョー⭐️⭐️〜いい意味で地味な映画(ただし音楽は除く)

 

科学者が、幸せになる花粉を出す植物の影響で壊れる話

 

正確には、お世話に手間がかかる反面、幸せな気持ちになり花が愛らしくなる成分を出す植物を開発したかったが、植物の事しか考えられなくなってしまう花粉をばら撒くヤベー植物になってしまったお話。

 

久々の落ち着いた雰囲気のホラー映画でした。雑にグロくしたり演出を派手にして盛り上げてこなくても、充分に気味悪さや怖さが表現されていました。本作の特徴は、花粉にやられても外見に変化が生じないし凶暴化もしないため、淡々と周りがおかしくなっていく恐怖を楽しめるという点です。だいぶ前に流行った、実は主人公の妄想なのでは?という展開を途中から落とし込みつつも、この筋のハズレ映画にありがちなモヤモヤしたエンディングにせず着地しているところも好感が持てます。

また、仕事と息子以外のコミュニティしか持たない主人公が終始追い詰められていく様は、果たしてハッピーエンドで終わるのか、地味な絵ながらも飽きずに見れます。

しかし、ジャパニーズカルチャーがゴリゴリ押し出されてくるのが作品とミスマッチで一度気になり始めるときついです。

主人公は料理が苦手なので食事がデリバリーなのですが、最初のメニューがまさかの寿司(多分助六)。しかも箸できちんと食べるわ、尺長いわでわで、洋画なのに珍しいなどなんとなく思ってたのですが、主人公の車も(ちゃんと確認してないが)日本車で右ハンドルっぽい。当然登場人物も情景も西洋のためなかなかに違和感があります。トドメに音楽が終始邦楽でもう辛くなりました。日本の故人の方の曲らしいですが、緊張感を高める場面で鼓が叩かれたり、花が成長するシーンで、神社で流れるあのメロディーが鳴ったりと音楽が気になってきます。

厨二病なボス戦で賛美歌風の曲がなる際に、キリスト教圏の人もこの違和感を抱いてるかもしれませんが、慣れ親しんだものが異文化にぶち込まれると冷めます。

エンタメ的には地味ですが、短観らしいいい作品でした。ドーン!で怖がらせる作品から、展開で怖がらせる作品に移行してほしいものです。

毛色は違いますが、近年はドントブリースや10クローバーフィールドレーン(ただし中盤まで)といった丁寧なホラー作品が増えてる気がするのでこの勢いが続いてほしいです。

 

それではみなさん、ハピハピして下さい。