新作の先達

手に取るか取らないか微妙なラインのものを取り上げてくブログにしたい。

魔女がいっぱい〜レトロテイストのファンタジー

メリークリスマス!

クリスマス映画といえばグレムリンと通ぶる系男子、ベッティです。ちなみに、公開時まだ生まれていません。

 

魔女がいっぱい〜⭐️⭐️⭐️バトルシーンが短い以外は全て好評

 

子どもたちvs魔女の戦いと反撃のお話

 

本作の特徴は、CG以外は演出も撮り方も昭和のファミリー映画のような点。原作が80年代の児童小説なので、ストーリーが古いのは分かりますが、演出等まで昔ながらで懐かしさを感じます。しかも、オチの都合でそのような作りにしているので好感爆上がりでした。

ショッキングな映像も多いですが、デフォルメ化されていて嫌悪感を抱く人も少ないと思います。

ラストについては賛否両論あると思いますが、子供目線だとワクワクするものかと思います。

気になるのは、本編の子供たちと魔女の戦いがあっけなかったところです。プロローグとエピローグが長かったので、なおさらアガるシーンが短い印象でした。秘密裏に戦っているとはいえ、もうちょいアクシデントや悶着、茶番は増やして欲しかったです。

 

それではよいクリスマスを。

 

リトルジョー〜日本ぽさのクセが強い

みなさんホラーしてますか?べってぃです。

今年も短観ホラー映画の季節が来たわけですが、果たして名作は生まれるのでしょうか。鳴り物入りで始まった恐怖新聞の事は、一度忘れましょう。

 

リトルジョー⭐️⭐️〜いい意味で地味な映画(ただし音楽は除く)

 

科学者が、幸せになる花粉を出す植物の影響で壊れる話

 

正確には、お世話に手間がかかる反面、幸せな気持ちになり花が愛らしくなる成分を出す植物を開発したかったが、植物の事しか考えられなくなってしまう花粉をばら撒くヤベー植物になってしまったお話。

 

久々の落ち着いた雰囲気のホラー映画でした。雑にグロくしたり演出を派手にして盛り上げてこなくても、充分に気味悪さや怖さが表現されていました。本作の特徴は、花粉にやられても外見に変化が生じないし凶暴化もしないため、淡々と周りがおかしくなっていく恐怖を楽しめるという点です。だいぶ前に流行った、実は主人公の妄想なのでは?という展開を途中から落とし込みつつも、この筋のハズレ映画にありがちなモヤモヤしたエンディングにせず着地しているところも好感が持てます。

また、仕事と息子以外のコミュニティしか持たない主人公が終始追い詰められていく様は、果たしてハッピーエンドで終わるのか、地味な絵ながらも飽きずに見れます。

しかし、ジャパニーズカルチャーがゴリゴリ押し出されてくるのが作品とミスマッチで一度気になり始めるときついです。

主人公は料理が苦手なので食事がデリバリーなのですが、最初のメニューがまさかの寿司(多分助六)。しかも箸できちんと食べるわ、尺長いわでわで、洋画なのに珍しいなどなんとなく思ってたのですが、主人公の車も(ちゃんと確認してないが)日本車で右ハンドルっぽい。当然登場人物も情景も西洋のためなかなかに違和感があります。トドメに音楽が終始邦楽でもう辛くなりました。日本の故人の方の曲らしいですが、緊張感を高める場面で鼓が叩かれたり、花が成長するシーンで、神社で流れるあのメロディーが鳴ったりと音楽が気になってきます。

厨二病なボス戦で賛美歌風の曲がなる際に、キリスト教圏の人もこの違和感を抱いてるかもしれませんが、慣れ親しんだものが異文化にぶち込まれると冷めます。

エンタメ的には地味ですが、短観らしいいい作品でした。ドーン!で怖がらせる作品から、展開で怖がらせる作品に移行してほしいものです。

毛色は違いますが、近年はドントブリースや10クローバーフィールドレーン(ただし中盤まで)といった丁寧なホラー作品が増えてる気がするのでこの勢いが続いてほしいです。

 

それではみなさん、ハピハピして下さい。

 

 

 

 

 

 

コンフィデンスマンjpプリンセス編〜邦画ドラマもまだまだ行ける(ネタバレあり)

約1年ぶりにブログ更新のベッティです。伏線でも特別な事情でもなく、ただ筆が進まなかっただけで映画もバリバリ観てました。

 

コンフィデンスマンjpプリンセス編🌟🌟🌟前作は超えなかったけど楽しめました。

 

みなしごのシンデレラストーリー

 

実は今の彼女に勧められて本作を観ることになったため、ドラマ版は見終わってないのですが、スポーツ編→ロマンス編→本作の順で見ました。ロマンス編のオチは騙されました。モナコかわいいよ。

 

本作のオチはある意味前作よりスケールが大きいのですが、騙しの規模はスケールダウンしていました。また、ハッピーエンドではあるものの、主人公チームが現金を得ていないので、いつもの爽快感がない。また、些細なシーンに伏線や情報が山盛りで展開のさせ方は前回以上にすごいのですが、エンタメ性を高める為に一部ガバガバなところが気になります。赤星さん、出張お疲れ様です。

不満点はあるものの、この手の劇場版でありがちな『テレビでいいやん』の感想で終わらないクオリティーでした。サプライズ出演もかっこいいし、映画館で観て損はない感じでした。

 

さて

 

大手サイトのレビューだけが全てじゃない。何が正しい情報で何がメディアの策略か

今回でコンフィデンスマンjpは最終回なのか。

2021年公開延期の作品は本当に上映されるのか。

劇場版ムーランの公開延期の原因は本当にコロナだけなのか。

 

コンフィデンスマンjpプリンセス編ネタバレへようこそ。

 

コンフィデンスマンjpプリンセス編⭐️⭐️〜観客が喜ぶ為に様々なものが犠牲になっている

 

みんながハッピーエンドを迎えたと思い込むお話。

 

むちゃくちゃ核心に触れます。好きじゃないオチだったので。あと、ネタバレ後は何も楽しくない作品になる事をご理解ください。

 

人が良すぎて詐欺師に向いてないし、日本に戻っても悪徳業者に使い捨てられるのが目に見えてるから、外国の大富豪として一生を迎えた方が幸せだというダー子の粋な計らいで、こっくりは異国に置いていかれます。自分から仲間に加えておいて、帰りの船から見る朝日は綺麗だぜとかいうフラグまで打ち立てておいて、ダー子が説得するまで帰る気満々な女の子をグッバイします。そして感動のハグをして、満足げに金を得ずに帰っていきます。

 

また、偽の手紙を作成してこっくりが後継者になるのを全員に呑ませる下りもご都合展開で冷めます。

執事は本当の後継者は死産していたけど、代わりに人格者(こっくり。正統な後継者ではないことは執事だけが認識している)が後を継いでくれてよかったと納得。

他の後継者は、これまで抑圧されていたこと(後継者の要件と関係ない)を認められ、自分のやりたかったことをすることを決意。

しかし、実態は人柱に家の重圧を押し付けてるだけじゃないか?と言わざるをえない。

 

実は遺言状に残された人物は存在しなかった。前作でダー子たちが飲んでる時に後ろ姿だけ映った人物が北大路さんで、その時ダー子が言ってた(ロマンス編で言ってたけ?)「後継者を名乗る敏腕詐欺師の方が、正統な後継者より使えるで」発言を真に受けて実践した、というのがオチなのですが、詐欺師に善意を期待するなと、この世界の詐欺師は国民的海賊なみに善意の塊なのかと説教したくなりました。

 

あと、前作のモナコポジション、全部ダー子さんの仕込みだと知らされずに焦る役が五十嵐は流石に可愛そう。途中で作戦変更したとはいえ、進捗をラインでやり取りしといて作戦の全貌伝え忘れたはうっかりにも程がある。流石に「いたのか五十嵐!」の派生と言い難い。

 

伏線の張り方やシーン毎の意外な繋がりは前作同様見事な手際だったのですが、メインテーマがシリーズの前提からズレていてはまれませんでした。今回の収入は0だけどオッケーってなるダー子さんはなんか違います。

 

それでは皆さん、いいバカンスを

台風家族〜無理矢理陽の目を見なくても

芸術の秋ですがいかがお過ごしでしょうか、ベッティです。田舎だと芸術を嗜むのも一苦労なので車が欲しいです。あとお金と広い部屋。

 

台風家族⭐︎〜邦画らしさが全面に押し出されてて辛い。せめて舞台で

 

数年ぶりに集まった家族がどったんばったん大騒ぎするお話

 

100万円束を10個カルトンに載せて恐る恐る運ぶ店長と付き添いの窓口女性、窓口には紙袋を被り息を荒くした男性が人質の女性に包丁を突きつけながらお金を要求している。俯せにさせられている大勢のお客を尻目にお金を奪い銀行を飛び出す紙袋男、老婆を助手席に乗せた霊柩車でにげ出し、観客に男性が2千万円を強盗した事が告げられます。

包丁を持った強盗1人対大勢の成人男性で誰も抵抗を試みなかったのか?人質を抱えた男がどうやって剥き身の札束を受け取ったのか?差し出された現金と被害総額が違うと開幕早々台風前夜のような不安感を視聴者に突きつけます。

 

公式のあらすじだとサスペンス風にも読めますが、話の筋はヒューマンドラマ。序盤嫌なキャラだった主要人物が実はみんないい人だった、という日本人の大好きなテイストの話です。

あと、合間合間で空気を和ますためか、日本人好みの馬鹿騒ぎ系の笑いを合間合間に突っ込んでくるし、演出で滑ってるしで個人的には見ていて疲れました。

特別な理由もなく観客が好きそうなシーンを入れる為に色々と回りくどいシーンを入れてテンポが悪くなってるのもだるい。シリアスな伏線は秒で下らない感じに回収し、メインの伏線は妄想力が豊かじゃないと分かりません。

出演者の都合で一度お蔵入りしたけど、3週間限定で公開するよ!とのことらしいですが、正直観に行かなくてもいいと思います。場面転換、登場人物共に少なく、仲違いしていた兄弟が今回の事件を契機に仲良くなるというアットホームなオチなので、脚本直して舞台化したら良かったのにという感じでした。

 

それではみなさん、良い家族団欒を

 

以下、ネタバレ

それでも観たいって方は見ないで下さい

観に行く気をなくします。

 

まずは核心から

 

妻が認知症になり介護疲れをしていた父は、長男が交通事故を起こし2千万円を支払う必要があるとの電話を受ける。家を飛び出し永く会ってない長男が最近免許を取った事を知っていた父はその電話を信じ、銀行強盗でお金を調達する決意をした。

この話を、父に嘘電話詐欺した女性から謝罪に来た事で真相が判明。泣きながら父に直接謝りたいとか言い始める女性をみんなが受け入れ、両親を探しに台風の中家を飛び出す。

なんで許した、と思うかもしれませんが、その女性も訳ありでした。なんと、学費と母の介護費を稼ぐ為に知らずに応募したバイトがたまたま嘘電話詐欺の事務所だったのです。そして詐欺をした後恐ろしくてバイトは辞めたけど、上司から脅されて10自首ができなかったのです。10年間間罪悪感にさいなやまれていた彼女を許して下さい、僕は同じシチュエーションだったら許さないと思います。

 

この映画、序盤に登場人物を下げて、最後に実は訳があったから許してあげてね、という構図で観客の同情を誘ってくる日本人が好きな展開で、8日目の蝉に号泣しちゃう僕でも冷めちゃう位に行動が下らない。

長男が金に汚いのは、娘をウィーンにピアノ留学させるためだという話を妻が娘にしている時、当の長男は雨宿りしている神社の賽銭箱の横に落ちている小銭を必死に拾っている。

次男が早く帰りたがっている理由が葬式の最中に子供が生まれたからで、それをカミングアウトするのが、ラストに海で叫ぶシーンでそれまで子供どころか妻の話すら無い状態からだったりと、見せたいシーンを詰め込んで訳わからない感じに仕上がってます。

あと、途中で刃物を振り回すシーンがあり、その際に外に投げ捨てられた包丁が、(わざわざ前のシーンで外に投げ捨てられたコルセットの横に落ちる)長男が外に出た時に消えている(しかしコルセットは落ちたまま)という凡ミスや冒頭の金額相違と言ったところは、公開を3ヶ月延期している間に修正出来ないものなのでしょうか。変なところで伏線を張るから、ミスも伏線かと勘ぐってしまう。

ネタ映画としては一級品なので、酒飲みながらDVDで観ると楽しいかもしれないです。

 

 

ダンスウィズミー〜ロードムービーだよ!

二学期デビューに失敗しました、ベッティです。最近色々と衰えを感じますか、心身ともに弾けたいです。

 

ダンスウィズミー⭐︎⭐︎⭐︎〜このキャストスタッフならまだやれた

 

どこがミュージカル映画だよ!これじゃあロードムービーだよ!ってお話

 

帰宅部の見過ぎでノリがやばいからやり直しますね。

 

ヒロインが見せパンをガン見せしてくるお話

 

もう一度チャンスをください

 

社畜が謎の催眠術を解くために日本縦断するお話

 

子供の頃流行ったウォーターボーイズハッピーフライトの監督ということで、むっちゃ楽しみにしていたのですが、期待は超えてくれませんでした。しかし、説教くさい演説をいいシーンにしがちな設定にも関わらず、アップテンポにならなさそうなシーンを極力カットしたり笑いを入れて終始ハッピーな雰囲気にしてくれる良い映画です。あっさりでスカッとするラストがすごく好きではありました。本来なら楽しいはずのロングライドなのに、作品として取り上げられると今際の旅だったり見ていて痛々しかったり真面目で重たかったりとロードムービー=重いというのを払拭してくれる良い実写映画だと思います。基本真面目で合わないからこのジャンルは倦厭しがちなのですが、クレヨンしんちゃんの焼肉張りにテンション上がって楽しめました。

観客集めるためにミュージカル映画を謳った感も多分にありますね。

あと、メインヒロインが踊るシーン、パンツしか印象に残りません。不潔ー、これだから男子はとか童貞キモいと思うかもですが、連れていった20代女子もパンツすごかったって言ってたので、やっぱりパンツだったと思います。

展開も伏線もきっちりしていて、見ていてストレスの溜まるシーンも少なくラストにスカッとする良い映画です。ただ、傑作というにはインパクトが足りない、30代を狙い撃ちにするような楽曲やキャスト、演出で家族で観に行ってお子さんが乗り切れないのではないかという気がするので、余裕があるなら観に行った方がいいよ位の作品でした。

 

それではみなさん、よい連休を

 

 

 

 

チャイルドプレイ〜リブートというよりリスペクト

30にもなって親と映画に観に行く系男子ベッティです。夏はなんやかんやでファミリー向け映画や大作映画が多いから仕方ないですね。

 

チャイルドプレイ(2019)⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎〜ファミリーでも安心して観れる古典風ホラー

 

【注意】軽微なネタバレを含みます

 

ヤンデレの人形に愛されすぎてつらいお話

 

まさかのブードゥー要素なし、2世代くらい前に流行ったAIの暴走系統という方向転換。オリジナルシリーズ最新作でクローンを作ったり人間の体を乗っ取ったりと脚本が暴走しているよりはマシかもしれないが、迫力や不気味さに欠ける。しかも暴走した理由が、東南アジアのエンジニアがブラックな勤務体系にキレてプログラムを改竄、そして自殺と違うベクトルの怖い話からスタートしてるので、イマイチ乗り切れない。

本作1番の問題点は、チャッキー(グッドガイ人形)が最初は可愛くないところ。最先端技術を用いて作られたという設定を忠実に活かすため、人工皮膚で顔が自在に動く事で様々な表情を作るのですが、学習型AIが成長するまではインスマス面で可愛さも怖さもない。ポスターの写真はスクショ詐欺というのが最初に抱く感想。

最近のホラー映画に比べてショッキングなシーンは少な目だけど、お約束を抑えたライトなパニック映画という感じで、なかなか楽しめました。なんなら、ハードなアクション映画よりもグロ要素が少なく、ホラーと笑いが同居しているシーンも何ヶ所かあり、ホラー苦手な人に勧めても恨まれない程度にはライトな作りでした。同じく子供のためにおもちゃが頑張るトイストーリー見るくらいなら本作を見るべき。

 

今作のチャッキーが凶行に及んだ動機が、スプラッタ映画の観すぎで気が狂ったのか、ホラー映画みたいなパフォーマンスをすればアンディが喜ぶと思ったのか、ヤンデレだったのか、どの解釈だとしても最期のシーンは無慈悲だなと泣けてきます。もちろん、エンディングを踏まえると、チャッキーが最初からサイコパスなAIだったという見方が濃厚ですが、視聴者のほとんどはチャッキーがヒャッハーする話だと分かっているので、こういった考察に意味はないかと思います。主題歌も最高にクールなので、是非とも最後まで見て頂きたいです。

 

それではみなさん、よい誕生日プレゼントを!

トイストーリー4〜設定が迷子

あっという間に夏休みですね。社会人には夏休みがないのに、見たい映画が仕事を休まないと見に行けない系男子のベッティです。

 

トイストーリー4⭐️〜史上最強の驚きは伊達じゃない(煽り)

 

【注意】ネタバレを含みます

 

ウッディが迷子になるお話

 

実は私、トイストーリーを幼い頃観て辛くなって以来続編を観ていないのですが、諸般の事情で見に行きましたね。過去作未鑑賞のまま本作を観たのでピントがずれているかもしれませんが、持ち主の幸せを1番に考えてたウッディが両手を挙げて野良のおもちゃになるのはおかしい。バズが最後に背中を押すところも、内なる声について誤解しているのに何言ってんだこいつって感じです。

アンディの元に帰りたい様相や新米の育成に居場所を見いだしたりボイスボックスを無くしたりと退場する雰囲気は多分に出ていたとは言え、元カノのケツを追っかけて出奔はヤバい。好意的に不遇な環境から解放されたと取ろうにも、1の時の自分が1番じゃないと嫌な困ったちゃんのままかよ、としか思えない。せめて、フォーキーが帰ってきて喜んでるボニーの顔を見てから去れよ、自己満足で完結してるぞと身勝手なカウボーイに終始イライラする。

 

むしろギャビーギャビーの展開の方がおもちゃと子供の関係とは?的なテーマを体現してましたし、可愛い。最期のシーンなんて心の中でスタンディングオベーションですよ。

 

それではみなさん、良い夏休みを