新作の先達

手に取るか取らないか微妙なラインのものを取り上げてくブログにしたい。

ウィンチェスターハウス⭐️

もうすぐ夏、夏といえばチョコミントアイスとホラー映画、すなわち僕の季節です、ベッティです。

怪獣映画、パニック映画ブームに押されてサスペンス、ホラーが下火な気がしますが、夏から秋にかけて湧いて来ると信じてます。去年はドントブリースがいい感じでしたね。今年も良作が出てくるでしょうか。

 

ウィンチェスターハウス ⭐️

予告詐欺、ポスター詐欺。思ってたのと違う。

 

精神科医が、謎の増改築を繰り返す未亡人を診察する話。

 

予告で出てくるホラーシーンは、序盤で消化されます。予告を見て、一昔前のPOVのような終始怖いシーンの続く映画なのかと楽しみにしていくと、後悔します。中盤以降は、海外産の幽霊が出てくる名作映画を希釈した展開が続きます。そしてラストは唐突なバトル。

また、ポスターの煽りで「増築しないと死ぬ」とありますが、それは元ネタになった、実在の家の事で、本編ではむしろ増築したせいで死にかける羽目になっています。

 

銃規制が話題になってる時期に銃を製造する企業を擁護するとも取れる作品を上映するのもどうかと思います。

 

総じて騙された感が強かったのと、ラストがバトル漫画みたいな展開になっていたので、低評価です。

 

良かったポイントは、オープニング・プロローグのお屋敷描写と序盤の主人公の立ち回り。

この映画の本当に良くないところは予告と開幕に期待を高めていて、どんどん期待を裏切るところ。上げて落とされました。

 

それではみなさん、良いホラーライフを。

 

以下軽くネタバレ含みます

 

 

実在の建物については、拳銃で財を築いたウィンチェスター家の社長夫人(未亡人)が、自社製品で亡くなった人々の怨霊から逃れる為に、増改築を続けたらしいです。

一方本作では、霊が自身の亡くなった場所の図面を夫人に憑依して描かせるので、鎮魂の為に図面に沿って建設を続けている。そして、霊が暴れ出したら部屋の扉を13本の釘で塞いで閉じ込めるを繰り返していたらしいです。作らないとどうなるかを言ってたかどうかを覚えてないのですが(寝てた)、夫人側も成仏させようとは考えてなく、とりあえず作って、霊が暴れ出したら封しておしまい!みたいな事を言ってた気がするため、生者も死者も誰も得しない状況が発生してます。

そもそも夫人、自社製品で亡くなった人の記録は手元に取ってるのに、作った部屋が、誰の死んだ場所かを把握してない。屋敷が危ないと分かってるのに、かわいい親戚を滞在させてる。霊が成仏してるかどうかに関わらず、取り壊しをする。基本強気。精神疾患でないとしても、会社の経営を任せるのが不安になる管理能力の低さを露呈しています。

 

また、幽霊モノの作品で定番となっているサプライズ要素が当然あるのですが、伏線が露骨すぎるので序盤で気づきます。本当に予告の場面が一番出来が良かったので、ホラー要素は期待出来ないと思ってください。ラスボスは一身に悪者役を押し付けられた挙句、宝具三千世界(さんだんうち)をやらされます。

 

スリラー映画にうってつけの舞台設定や、心霊現象については心を病んでいる主人公の見ている幻で、実際は未亡人の財産を巡って争いが起きていたというオチになっても許されそうな雰囲気を作っておいて、最終的には見飽きた感じの三流作品になっています。正直見るのはおススメしないです。